覆面ライターのつれづれ日記

顔出しNGで仕事をしているwebライターです。日々思いのまま、つれづれに。

こんなエントリーメールなら仕事が取れる

某会社のライター採用に携わるお仕事もしています。募集をかけると応募してくるライターの方、最近増えた気がします。ライター人口そのものが増えているのかもしれません。

 

募集に応じて送ってくださったエントリーメールを確認させていただいて、トライアルを受けていただく方を絞り込みます。実際にトライアルとして原稿を書いていただいて、修正を含めての対応も見せていただいたうえで採用不採用を決めます。採用したくなる方には、ある一定の傾向があります。

 

f:id:makisuto-bu:20171127131733p:plain

 

エントリーメールがすてき

思わず仕事を頼みたくなるようなエントリーメールを送ってくださる方。こんな方はぜひトライアルを受けてみていただきたいと興味がわきます。

 

・当たり前のことを当たり前として書かれている

・経歴が不足なく書かれている

・冷静

 

ちょっとご説明いたします。

 

当たり前のことが当たり前に書かれている

締め切り守るとか、どんな文章でもどんなジャンルでも書けるということを長々と書いていらっしゃる方もいますが、ライター常識ではそんなこと「当たり前」です。ギャルっぽい文章も書けて、論文みたいな文章も書けて、建築について書くときには建築のことを勉強し、医療について書くときは薬機法のような法律も勉強し、…でもそれって、当たり前のことなんです。

 

エントリーメールを見せていただくときは、その「当たり前のこと」をすべて排除して見ます。すると、内容がなくなる方が多いんです。

 

「私は〇年前からライターをしている〇県在住の〇〇です。いつも必ず締め切りを守り、クライアント様にご迷惑をかけないことをモットーとしています。文章は長いものから短いものまで、硬い文体から柔らかい文体まで、なんでも書くことができます。ジャンルも問いません。参考文献にあたって書くこともできます。ぜひ〇〇で仕事をさせていただきたいと思って応募しました。どうぞよろしくお願いいたします」

 

これは私がいまねつ造しましたが、これに類似したメールがだいたい7割を占めます。このメールで伝えられることは「〇年前からライターをしている〇県在住の〇〇です」だけです。参考文献に当たらないライターさんには怖くて仕事をお任せできません。このメールですとこの人が何を書いてきたのか、どんな仕事ができるのかに関しては一切わからないんです。

 

相手に自分のことを伝えようというときにこれだけしか伝えることができないのなら、サービスや商品のことを読者にお伝えするのも無理だろう、と想像できてしまいます。

 

経歴が不足なく書かれている

「いろんなジャンルを書いてきた」というなら、具体例を挙げればよいのです。

・和菓子屋さんのサイトのコンテンツ(和菓子に関するもの)80記事+サイトURL

ティッシュの使い方に対するコンテンツを継続的に3年間150記事+サイトURL

・〇〇社のコンテンツ(ジャンルは美容、整形、サプリメント)を足掛け2年+サイトURL

 

などが書いてあれば、この方が今まで書いてきたことが偏っているか、同じ会社からのオファーを何年受けているのか(年数は信頼です)、などということが判断できます。締め切りを守らない人は続かないので、〇年続いてきた、というなら締め切りを守るんだろうなということが推測できます。なかなかとがったものも書けるのか、オーソドックスなものが書きたいのかも判断できます。

 

もちろん、サイトの裏は取ります。

 

冷静

エントリーメールでやたらとテンションの高いものを送ってくださる方は、採用する側が作りたいと思っているサイトのトンマナ(全体的な雰囲気のようなもの)が合致しない限りNGです。テンションの高いメールとは、「!」「!!」などが多用されているものです。「絶対絶対、がんばらせていただきます!」のようなものを送ってくる方は、仕事ぶりに不安を覚えてしまいます。もちろん、きちんとお仕事のできる方なのでしょうが、あくまで受ける印象として。

 

エントリーメールに常用漢字以外の漢字がやたらに多い読みにくいもの、難しい言葉を羅列したものを送ってくる方もNGです。読者を想定できない方は商業ライターには向きません。以前1度だけ、歴史的仮名遣いで書かれたものをいただいたことがありました…この方にトライアルをお願いする勇気はありませんでした。

 

エントリーメールは面接のようなもの。面接よりも外見から受ける第一印象がないため、こちらも冷静に吟味できるのです。面接よりもみられている。と思って、あなたをより多く伝えられるためのツールとしてお考え下さい。